村井 美映 さん(株式会社スペース)
2024年、自動車運転者(トラックドライバー含む)を対象とした労働基準法の改正があり運行可能距離が激減するとされる物流業界。リレー(中継)輸送の実現が急務となっている。しかし、個社間では中継先の確保ができていないのが現状だ。そこでわが社の「ドラ基地」を提案する。手軽に中継拠点を見つけられるマッチング機能と労務支援機能をあわせもったツールにより250km以上の運行に対するリレー輸送を確立する。全国に62,169社あるとされる物流系中小企業の生き残りをかけた戦いを中継輸送DXのパイオニアがサポートします!
-受賞コメント-
この度は、最優秀賞という名誉ある賞をいただき大変光栄に思っております。事業を開始以来、私に関わってくださったすべての方に御礼を申し上げます。応募しようと決めたときはなかなか1歩を踏み出す勇気が持てなかった私ですが、多くの方と繋がりたくさんの応援を頂いたことで大きな自信となりました。これから、東三河を中心に全国に「ドラ基地」を展開できるようにさらに邁進し変わらぬ笑顔で皆さんのもとに荷物を届けられる運送業界にしていきます!この度は誠にありがとうございました。
-委員長コメント-
本プランは、運送業界の2024年問題(自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制)の課題となる中小事業者の中継輸送の実現に向けた事業提案である。各事業者を中継拠点とみなし、マッチングさせ、配車スケジュールの支援を行うWebサービス「ドラ基地」と本サービス利用者の顔が見える交流をはかる会員制越境同業種交流会「えびすCo,」といった事業展開は、提案者の運行管理者としての経験に基づく問題意識と子細な点に至る配慮が盛り込まれた提案となっている。事業実績や軌道に乗せるという点が今後の課題であるが、ビジネスプランとしての精度や明瞭性は高く評価される。よって、来る2024年に向けて、この東三河地域から大きく展開していく構想と提案者の熱意や行動力に期待し、本年度の最優秀賞とする。
藤井 琢也さん(合同会社OptTech)
AIによる品質検査の精度は撮像環境に依存する。しかしAIベンチャーはソフト中心で照明のノウハウがない。一方で照明メーカーは汎用的な単機能照明のみ提供しており、AIの知見が少ないため最適照明の提案が困難である。この課題を解決するために高機能(単機能照明5台分、輝度は約50倍)の照明を今年11月に設計開発した。本照明を使用することで従来の組み立て時間や照明のノウハウが必要なく入力画像に十分な画像を撮像することが出来る。現在はAIベンチャーと光学系メーカーと協業し、商社を巻き込み販路開拓を行っている。
-受賞コメント-
この度はこのような賞を頂き誠に嬉しく思います。このような大会を企画運営・支援していただけた方々に深謝申し上げます。また、アイディアのブラッシュアップやその実現を手伝って頂いた仲間や上司、先生方、スタートアップガレージのメンターの方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
-委員長コメント-
本プランは、AIを活用した外観検査においてAIが画像認識する上で最適な照明をもたらす⾼性能のハイブリッド照明に関する装置開発とその事業提案となっている。撮像環境による精度差の解決は、情報処理と光学分野で研究活動を続けてきた提案者ならではのテーマである。提案者の言うように、AIを得意とするスタートアップにも、汎用的で単機能の照明しか提供していない光学メーカーにも、知見の乏しい分野であり、自らの研究成果に基いた商品化に踏み出している点は、本事業の強みである。既に事業実施体制を構築しており、実績があることを評価するとともに、今後の事業展開を期待する。よって、本プランを本年度の優秀賞とする。
104Cafe 松原 克成さん 渡邊 泰世さん(特定非営利活動法人クオーレ)
子供を預けて働く(こども園・社内託児)から一歩方向を変えて、子連れで働く社会を目指しました。基本的な勤務時間は2時間から。働く親も、一緒にいる子供にも負担にならない働き方を実施します。希望者は子ども店員として就労体験を実施。騒がしい喫茶店のコンセプトは複数のSDGs目標に貢献でき、来客者を交えたダイバーシティーが実践されています。子育て中の「すいません」を「ありがとう」に変えていくことで、「生きづらさを抱えている方」が社会に出ていきやすい環境づくりを目指します。
-受賞コメント-
東三河の資源活用や課題解決に強く結びつくプランを対象とした「ほの国やってみりん賞」に選出していただき、大変に光栄です。本プランでは、子育てママさんの雇用に限らず、障害者(児)の就労体験、引きこもり等の方々の居場所づくりを積極的に行い、社会のロールモデルとして活躍できる働き方創成を提案させていただきました。104Cafeを通じて農家様のエコ野菜を六次産業化し、より多くのより多彩なダイバーシティーが次の目標となります。この取り組みには当法人が関わっております農福連携を活用し、支援の場を広げていく目的も兼ねております。これからも全力で「はたらく」をサポートしていきます!
-委員長コメント-
本プランは、子育て中のお母さんのための職場づくりをコンセプトにしたカフェ事業を提案するものである。昨年4月より開始された本事業は、育児期間中の減収や外出のしづらさゆえの社会的引きこもりといった課題と向き合う形で進められている。子連れ出勤、こども店員(職場体験)、労働時間(週1回2時間)や営業時間(14時閉店)といった本事業の特徴は、働き手の制約から生じたものであり、一般のビジネスからは考え難いものでもある。しかしながら、課題解決に真摯に取り組む中で生まれた、このような場は、人との繋がりを生み、食材調達、メニュー開発、デリバーなど、様々なアイデアの創出と実践に繋がっている。収益性の課題は大きいが、本事業の更なる地域への貢献と展開を期待し、本プランをほの国やってみりん賞とする。
建築サークルTYACCストリートファニチャープロジェクト+老津木工 西村 隆登さん(豊橋技術科学大学) / 松井 誠さん(老津木工有限会社) /Advisor: 辛島 一樹さん /Design: 田中 甫さん /Team: 白石 大河さん / 橋本 涼平さん(©2020 豊橋技科大 TYACC SF Project)
組立式屋台 Patto -パッと-は、誰でも簡単に、パッと組み立てることのできる、スマートな屋台です。コロナ禍の生活において、テイクアウトなど新しい生活様式が定着する中で、これまでに屋外販売を行っていない店でも利用しやすい設計を心掛けました。温かみのある木材を使用し、使用者が自由にアレンジできる造りのため、使い手の個性が現れるオリジナルの屋台になります。コンパクトに収納でき、持ち運びも容易です。また、木材は、地域活性化・環境問題の観点より地元間伐材を使用し、地域コミュニティの活性化を促します。
-受賞コメント-
ほの国やってみりん賞に選んでいただき光栄です。ご支援頂いた皆様に感謝申し上げます。学生最後の年にこのような経験を、さらには賞までいただけるとは思っていませんでした。本コンテストを通じて、普段の学生生活では得られない、生産者側の視点を学ぶことができました。ビジネスコンテスト初挑戦、とにかくやってみようという気持ちで参加しましたが、このプロジェクトを通して、地元や各地に新しい繋がりができるなど、私個人としても充実した経験になりました。個人的には、「パッと」がまちにかかわる新しいきっかけになるツールになることを願います。
-委員長コメント-
本プランは、コンパクトで持ち運び易く、簡単に組み立てることのできる屋台の商品提案となっている。近年よく見られるマルシェ、飲食等の移動販売や店頭販売など、屋外での販売に用いられる屋台や陳列台を意識したデザインとなっており、汎用性や手軽さといった大きなニーズを捉えている点は評価される。また、地元間伐材を利用し、商店街などのイベントに無料レンタルするなどの企画を打ち出すなど、社会や地域に対する貢献意欲も高い。昨年3月からから、販売・レンタル・イベント企画と着実に事業を進めており、今後の展開を期待する。よって、本プランを今年度のほの国やってみりん賞とする。
長島 槙人さん(tantore株式会社)
従来の【ステンレス板電磁波シールド】に対し弊社が開発した【メッシュ型電磁波シールド】は通気性、透視性、コスト面にて大きく利点があり、これからの医療現場やEV車(電気自動車)など様々な用途に適応できる素材です。この先も増え続ける新たな電子機器に対しあまり知られていない電磁波問題の対策と解決法、またメッシュ型だからこそできる新たな研究のテーマなどの紹介。ビジネスプランとしては主に従来の電磁波対策現場からの新メッシュ型への置き換えと、新たな現場への導入を主軸に説明させていただいております。
-受賞コメント-
このような賞をいただけたことに感謝しています。増加する電波障害にメッシュ型電磁波シールドが少しでも皆様のお役に立てば本望です。
-委員長コメント-
本プランは、電子機器に対する電磁波の影響を防ぐ電磁波シールドの新たな商品開発(メッシュ型シールド)を提案している。本商品は、従来型のステンレス板製など比べ、通気性、透過性、重量やコスト面において優位性を持つものとされている。従来型の改善案という見方もあるが、デジタル社会の公害という着想は、これからの社会的な課題として重要である。また、自社資源やコンピテンスを最大限に活用した事業展開のビジネスプランは高く評価される。よって、今後の事業展開と社会に対する貢献を期待し、特別賞とする。
夏目 一輝さん(岐阜大学)
芸術大学に通う学生は、趣味としてだけではなく課題としても作品を制作しています。しかし、芸大生の作品は同じ学科の数十人にしか見せ合うことなく、家にしまってあるか、最悪の場合捨ててしまいます。そこで私たちはアートをデジタルデータ化し、デザインとして利用できるようにするサービスを提供します。これにより、捨てられるはずのアートを身近な雑貨のデザインに生まれ変わらせ、世間に対してアートを身近な存在にしていきます。また作品を買ってもらう成功体験を通してアーティストが育つ環境作りに貢献します。
-受賞コメント-
このような賞を受賞できたことを大変嬉しく感じております。名城大学社会連携センターの「DRAFT」や岐阜大学起業部といったコミュニティがあったおかげで、こうした活動を継続できました。また、芸大生も調査やアート提供をしていただき、イベント等で関わった多くの方からもご支援をいただきました。こうしたコミュニティやご支援があってこそのアイデアだと感じております。本当にありがとうございます。私は様々なサービスを提供し、いつか「アートを楽しむ」という「文化」を創ります。ご興味のある方はぜひご連絡いただけると嬉しいです。
-部門審査委員長コメント-
このプランは、「捨てられるアートに新しい価値を!」をテーマに、日の目を見ない美大生の作品をデザイン化し、希望する人に販売して使ってもらう仕組みを提案するビジネスプランである。処分される作品の中にもきらりと光る作品が数多くあることから、それを世界で唯一のデザインとして活用するという素晴らしい発想である。今後は事業スキームを確立し事業化をすればヒットする可能性が高いビジネスプランであることから本年度の最優秀賞とする。
デポジット川北 神谷 俊行さん 尾形 萌衣さん 園田 孝音さん 前田 夏海さん(南山大学 経営学部 川北ゼミ)
現在世界中で大量廃棄されているプラスチック容器を繰り返し使用可能な容器に変換し、持続可能な社会の実現を目指す。そこで、東三河区域でのデポジットネットワークの実現を提案する。デポジット制度とは、製品価格に一定金額の預託金を上乗せして販売し、製品使用後に返却された際に預託金を返却することで、容器の回収を促す。我々は、先日豊橋市内のスーパーにてデポジット制度の導入に貢献した。更なる発展に向け、デポジット制度の導入に賛同するスーパー等の企業や団体の参加を募り、東三河区域全体で地域ネットワークを構築する。
-受賞コメント-
「本当にこんなサービス使ってくれるの?」と実際に豊橋を訪れるまで疑問でした。しかし、実際に調査してみると「使いたい」という声が多く驚きました。豊橋だからこそ、東三河だからこそ実現可能なものだと思います。
-部門審査委員長コメント-
このプランは、「東三河から持続可能な社会を全国へ」をテーマに、スーパーなどの地元企業と連携し、食料品の容器を統一しリターナブル化するシステムの提案である。このシステムにより、販売店のコストを抑えるとともに、環境にも優しいデポジットシステムを提供することが可能となる。今後は販売店及び消費者のニーズを的確にとらえ、より良いビジネスモデルを確立することを期待し本年度の優秀賞とする。
動物科学部 尾崎 智子さん 冨岡 むさしさん 河合 晃平さん 池田 颯一朗さん 新美 聡也さん(愛知県立渥美農業高等学校)
本校では、JA愛知みなみと協力し、規格外トマトを黒豚に飼料として給与する取り組みをしている。規格外トマトとは、市場の規格に合わず、廃棄されてしまうトマトのことで、丸玉トマト生産が盛んな田原市では、1日約400㎏が規格外として廃棄されている。そこで、もっと廃棄量を削減するため飼料利用以外の方法を考え、規格外トマトをカレーに加工することにした。カレーの開発プランにより、規格外トマトの廃棄量削減、田原市の農業のPR、地元企業と協力することによる地域産業の活性化など、多くのメリットが考えられる。
-受賞コメント-
高校生の思い付きから始まったこの取り組みが、田原市を盛り上げるきっかけになること、さらにこのような賞をいただけたこと、本当に嬉しく思います。3年生は卒業してしまいますが、この活動を下級生に引き継ぎ、これからも活動の幅を広げていきたいです。また、市内、さらに全国で生じる規格外野菜はトマトだけでなく、今日もどこかでもったいない廃棄が生じています。私たちの活動にするだけではなく、この活動を多くの人にPRし、知ってもらい、このような取組みを全国で増やすことができたら、もっと日本全体の「もったいない」を減らしていけると思います。
-部門審査委員長コメント-
このプランは、市場の規格に合わず廃棄されるトマトを地域特産の黒豚の飼料として有効活用し、その肉を使ったキーマカレーを作り、地域の特産として売り出すプランである。田原地域の農産物廃棄などの課題解決と土産品の開発を一挙に手掛けるアイデアとして、また地域住民の環境意識の高揚も図ることができる提案として、今年度に新設した「ほの国やってみりん賞」にふさわしいプランである。
川北ゼミ みかんバターチーム 嶋田 怜未さん 小澤 侑希さん 小野 美咲さん 太田 光軌さん 牛野 出海さん(南山大学 経営学部 川北ゼミ)
’学生と渥美半島の企業が協力し合うことで、地元を盛り上げていく’をテーマにビジネスプランを企画しました。「塗るくだもの~みかんバター~」は渥美半島の山本ミカン農園さんのみかんを用いたフルーツバターです。渥美フーズさんでテスト販売させていただきました。このプロジェクトを進めていくうえで、名古屋市の学生である我々と渥美半島の地元企業・地元農園様と関わりができ、この商品を通して渥美半島の豊かな自然と食物をもっと色んな人に知ってもらいたいと思い、正規商品化に取り組んでいます。
-受賞コメント-
『塗るくだもの~伊良湖みかんバター~』は、伊良湖みかんと中央製乳様のバターを使用した、濃厚でまろやかなフルーツバターです。今後もシリーズ化などを進めていき、この商品を通して渥美半島の魅力を多くの人に届けたいと思っています。本コンテストの特別賞受賞に当たり、この商品に関わってくださった渥美半島の方々、アドバイスをくださったゼミの先輩方、そして川北先生に心より感謝いたします。
-部門審査委員長コメント-
このプランは、田原市のブランドミカンを使用した、ミカンバターの提案である。地域の食材の有効利用とブランド化を進めるユニークな提案である。他の地域にある同様な商品との差別化を図り、この地域の特産物として有名になるよう、市場調査や製造方法・保存期間などアイデアの更なる検討を期待し、特別賞とする。
あんきかるた 河野 有起さん 伊澤 千恵さん 本多 晃啓さん 河野 紗也さん 河野 嗣寿さん(ゆた楽な暮らし)
どうしても終活には、お葬式やお墓、亡くなったときの準備など、後ろ向きなイメージがあり、なかなか取り組めていないのが現状です。そこで、片付けで直面するよくある事柄を、あえて終活という言葉は使わず、誰でも手にしたことがある『かるた』にし、親子で取り組めるモノにすることで、高齢化による実家の片付け問題にもアプローチ。『安心・安全・あんきな暮らし』を送るための終活の第一歩を気軽に踏み出してもらえるように提案する商品です。
-受賞コメント-
この度は特別賞をいただきましてありがとうございます。エンディングノートを書くのも大切な終活の一つですが、もっと気軽で生活に密着し、日常生活を安心し楽しく暮らしていくための準備が終活には必要だと感じています。高齢者が長く健康に、そして残された家族が少しでも不安のない生活を送るために、孫世代まで一緒に楽しく取り組めるかるたで、後ろ向きな終活のイメージを変えるきっかけにしてほしいと願っています。
-部門審査委員長コメント-
このプランは、終活への気づきと認知症予防に有効なかるたの作成や販売をするアイデアである。家族でもなかなか話しずらい内容について、遊びを通して話すきっかけになるとともに、目・耳・手・頭を使うことで認知症予防にも役立つという現代に有効なグッズである。高齢者だけを対象とせず幅広い年齢層にも活用してもらうなど、更なる検討を期待し特別賞とする。