バイオマス利活用先進事例視察に関する情報

エコフィード事例視察(トヨタファーム)

バイオマスを有効に利用する方法として「カスケード利用」という言葉が使われることがあります。カスケードとは「階段状に水の落ちる滝(大字泉)」のことです。
例えば畜糞は、他の家畜のエサとして使うことは出来ず、堆肥や燃料としての利用に限られます。一方、食品工場からは、割れてしまったり焦げ色がついてしまったために商品化できなくなってしまった材料が、廃棄物として排出されます。これら材料は、堆肥や燃料としても使えますが、家畜のエサとしても十分使えます。このように、質のいいバイオマスはなるべく付加価値の高い使い方をすることで、バイオマスをさらに有効に利用できるというわけです。 10月7日、田原市でエコフィードを利用した養豚を営まれているトヨタファームさんを訪問し、お話を伺いました。

トヨタファーム概要

トヨタファームイメージ

トヨタファームは、県下最大の母豚1,300頭を擁し、豊田および田原市内で農場経営をし、主に、豊田農場で子豚繁殖、田原農場で肉豚肥育を行っています。
田原農場では、離乳した子豚(生後70~80日齢)を豊田農場から移し、最初の1ヶ月は配合飼料、残りの期間は100%エコフィード(ドライ)で育てています。



エコフィードへの取組み

トヨタファームでは、5年前より肥育にエコフィードを導入しています。エコフィードを導入した一番の理由は、コスト削減だったそうです。
 現在、複数の食品製造業者より産廃業者を経由して食品製造残渣を購入しています。取材に行った時には、食パンの耳、菓子パン、パン生地、うどん、ラーメン、小麦粉、ビスケット、パイ菓子、スープ粉等がストックヤードに積まれていました。

食品製造残渣イメージ1 食品製造残渣イメージ2

エコフィード導入のメリットとデメリット

取材から明らかになった、エコフィード(ドライ)のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  1. コストダウンになる。
  2. 小麦を主原料としており、油の融点が下がり食感がよくなる。「さし」が入りやすくなる。
  3. 嗜好性がいい(豚の食いつきがいい)。
  4. エサの消化がよく、糞量が少なくなり、後処理が楽。
  5. 畜舎の臭いが軽減する。
  6. 病気の発生が少ない。

デメリット

  1. 取り扱いが難しい(配合飼料の給餌システムが使えない、攪拌機等の専用設備が必要等)。
  2. 成分が不安定。
  3. 水分含量が多く、保存性が悪い。
  4. 軟脂になることがある。
  5. 供給が不安定。

以上を踏まえて、今後エコフィードに取組むためのポイントとしては、「安くて良質な原料を安定的に入手する」ということになるでしょう。

近代的な大規模畜産が導入される前は、豚には主に食品残渣を与えていました。しかし、安くて良質な豚肉が輸入される現代においては、何でも食べさせて育てた品質の悪い豚肉は市場性がありません。
 県の試験場や大学と共同で、種々の食品製造残渣のエサとしての特性を明らかにし、適性の高い材料について、その配合割合や安定供給ルートの確立等が求められます。

リサイクルの思想が先行してしまうと、品質という面を忘れがちになってしまいますが、あくまでも「おいしい肉を生産する」というが主目的であることを忘れてはいけないということです。

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