飼料化(エコフィードの推進)

背景

わが国の平成19年度現在における食料自給率は、カロリーベースで40%であり、先進国中最低水準であることは周知の事実である。 特に畜産に特化した場合、ほとんどの飼料を海外からの輸入に依存している(同ベースで25%)ため、自給率低下の一因ともなっている。 この傾向は、有数の畜産地域である豊橋市においても例外ではない。

近年、様々な世界情勢の変化(原油価格高騰による輸送コストの上昇、途上国の経済成長による食料需要拡大、バイオ燃料の普及・異常気象由来の旱魃による穀物価格の上昇)の影響による輸入飼料価格の高騰が畜産経営に大打撃を与えており、安全・安心な国産畜産物を提供する基盤を根本から揺るがしかねない事態となっている。

一方で、従来産業廃棄物として処分されていた事業系食品廃棄物を活用した飼料(エコフィード)の利用がクローズアップされており、国内でも配合→給餌→生産→流通といった循環システムを確立した幾つかの先進事例が確認されている。 様々な食品関連工場が立地する豊橋市においても、今後原料の安定的な供給による事業化が可能であれば、世界経済に左右されない飼料供給体制の整備や食料自給率の向上といった課題の解決が期待できるものと考えられる。

事業化方針

※主に食品工場ロス分が望ましいとされる。

事業化に向けたこれまでの取り組み

平成20年度東三河バイオマス研究会 エコフィード分科会 ヒアリング調査

豊橋市内の代表的な養豚農家へ、エコフィード(主にリキッドフィーディング)に対する関心・導入について聞き取りを行った。

所見

2件のヒアリングで共通する事項として、

  1. 従来の配合飼料と同様な乾燥した状態で提供出来る事(設備投資の負担軽減から)
  2. エコフィード原料としての食品廃棄物の競合(特に穀物由来は引く手数多)
  3. 生産現場だけでなく流通・消費段階にも波及した取組であること(品質・味が保証されなければ意味がない)

の3点が挙げられる。今後は事業化に向けて食品関係事業者の排出状況の把握や更なる需要農家の洗い出しを含め、関係者が一体となって連携した事業化に向けた検討を行っていきたい。

平成20年度東三河バイオマス研究会 エコフィード分科会 会議

食品廃棄物の様々なリサイクルを手がけているS法人による、リキッドフィーディングの取り組みについての講演があった。 内容については、下記の通り。

質疑応答

  1. イニシャルコストの問題について
    サブキッチンでは主に給餌ライン・エサ箱の交換となり、母豚500頭規模で約4~5,000万円。
  2. リキッドフィーディングのメリットについて
    群内の飼養バランスが揃うことや死亡率の低下、ムダの無い給餌などが挙げられる。
  3. 原料の有価物としての取り扱いは?
    必ず発生事業場から買い取っている。 価格はピンきりだが、肉質の向上が見込まれるもの(パン、牛乳、即席ラーメンなど)はポピュラーで価格は比較的安定している。
  4. 東三河地域におけるメインキッチンの事業主体はどのようなものを想定?
    法人や利用者(養豚農家)の共同出資が現実的かと思われる。
  5. 栄養成分の分析等について
    原料単品ごとの成分はデータベースとして登録。 しかし入荷される原料の種類は日々変化し、一定のレシピはありえないため、安定的に入る原料をベースとして配合する。
  6. リキッドの保管について
    基本的には「製造→即運搬・利用」が大原則。 ただしリスク回避のため、1日間程度の保管が必要となる可能性がある。 そのときはpH調整や乳酸菌投入等の工夫が必要。
  7. リキッドと配合飼料の混合割合はどの程度まで考えられる?
    将来的には穀物換算で50%を食品廃棄物で賄いたい。
  8. ゆで卵の規格外品などは保管が困難であるが、その工夫は?
    酢酸やギ酸を散布するなど対応。
  9. リキッドを給餌した場合の肉質の変化は?
    枝肉上物はリキッド活用が多い。(特にパンなど小麦由来の原料が多いもの)
  10. リキッドの一日あたりの給餌回数は?
    R農場の場合、10回ほどである。 ただ、他の事例によると2回で良かったり4~5回だったりするので、1日あたりの乾物換算で考えた方がよい。
  11. リキッド給餌の場合の水処理上の問題について
    糞尿量自体が少なくなるし、残さず食べる(飲む?)ので場内洗い水などの汚濁負荷量も少なくなる。
  12. 焼却施設の余熱を利用してドライな状態のエコフィード製造を検討している。 リキッドフィーディングと相反するものとなるが、地域における事業化の可能性についてはどうお考えか?
    地域循環システムを作ることが大前提なので、リキッドだけに拘る必要はないと思われる。 むしろ利用者(養豚農家)にとって融通が利く乾燥飼料は今後も必要となる。

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