家畜排泄物のエネルギー化

背景

豊橋市は全国シェア第1位を誇る「大葉」に代表されるように、施設園芸が非常に盛んであり、通年栽培を行うため冬季生産過程において暖房を利用、その熱源を主に重油に依存している。 一方で、畜産農家も一年中生産施設(攪拌発酵施設、浄化槽、畜舎の換気扇・ヒーター等)に占める電気消費量も少なくなく、耕・畜共々ランニングコストを念頭に置いた経営が必要になってくる。

故に、昨今の原油価格の高騰による全国的なエネルギー問題は本市も例外ではなく、農業経営を圧迫するのには十分な脅威となっている。

今後こういった問題を解決するために、地域内で豊富に発生する家畜排泄物、及び、豊川上流域に賦存する木質資源をエネルギーとして利用することが望ましいとされる。 この実現により、地域で余剰傾向にある家畜排泄物由来の環境問題(悪臭・水質汚濁・地下水汚染等)への対応や木質バイオマス利活用を通じた広域的な連携も併せて期待できる。

事業化方針

事業化に向けたこれまでの取り組み

平成20年度東三河バイオマス研究会 牛豚糞尿有効利用分科会

平成20年5月22日、新城市役所 鳳来総合支所、及び、豊根森林組合において、木質資源のエネルギー化についての聞き取りと現地見学を行った。

所見

2つの事例に共通することは、林業および製材業の衰退に伴い、利用できる木質バイオマスもごく限られてくるといった、地域内の雇用問題も併せた問題を抱えている。森林環境税にどれだけの期待が出来るかは未知数であるが、今後は中山間地域の活性化と並行した木質資源の利用が課題となってくるであろう。

平成20年度東三河バイオマス研究会 バイオエネルギー分科会 ヒアリング

平成21年1月6日、愛知県庁にて畜糞サーマル利用に関する法規制等について、関係部局へのヒアリングを行ったところ、以下の事業化イメージが提案された。

事業化イメージ

該当し得る法・条例規制

  排出者(畜産農家) 製造者(事業組合等) 利用者(温室農家)
悪臭防止法
家畜排泄物法    
廃棄物処理法  
(乾燥工程で?)

(燃え殻の廃棄物としての処理)
大気汚染防止法  
(乾燥炉として)

(ボイラーとして)
肥料取締法    
(燃え殻の肥料としての利用)
県民生活環境保全条例  
(大防法規制外の乾燥炉として)

(大防法規制外のボイラーとして)
その他   騒音・振動規制あり?  

※製造者の買い取り価格と運搬価格のバランスによっては、廃掃法に基づく収集・運搬業の許可が必要となる。

今後こういった具体的な絵を描きながら、

  1. 全体の金銭バランス(補助金を度外視した)
  2. 製品の性状・燃焼時の性能分析(製造者・利用者共に必要)
  3. 製造者⇔利用者間の明確な契約締結

が必要となってくる。

平成20年度 畜産バイオマス利活用システム地域導入研究会

平成19年度より愛知県主体の「畜産バイオマス利活用モデルシステム検討事業」の一環として開催している同研究会において、豊橋地域におけるメタン発酵施設のモデルシステムの提案が、以下の通りなされた。(いずれも、浄化槽を設置しないモデル)

  1. 既存発酵ハウスを利用(糞尿分離した上で活用)
    既存発酵ハウスを利用するシステム

    所見

    メリットが電力供給と温水利用のみで経済性効果が薄いものの、安価なメタン発酵技術(小規模化等)を模索していくことで実現可能性が見込める。

  2. 全量投入(糞尿混合のスラリー状で利用)
    全量投入システム

    所見

    経済効果は充分とは言えないが何とか採算性のあるシステムで、安価なメタン発酵技術(小規模化等)を模索していくことで実現可能性が見込める。しかしながら、消化液を全量農地還元利用するため、利用先の確保が必要。

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